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月明かり










4
 今夜は中秋の名月かな?
 電車に揺られながら窓越しに空を眺め、もう一度あの一文 “妻は月明かりに〜” が浮かび上がる。


 なぜ 恵(けい)との再会のシーンを思い出したのだろう。
 夕べ 恵を抱いたから?
 それとも 今晩 久し振りの塩田との約束があるからか・・・・・あの時のクラブで。
 電車はようやく駅に着き、やっと朝のラッシュから開放された。




 『どうや山本 今夜は予定通りで大丈夫か?』


 夕刻の慌(あわただ)しい時間。
 外回りから戻った部下の報告を受けている頃、携帯に響いた塩田の遠慮のない関西弁。


 「ふっ 大丈夫だよ。。。3番出口だよな」
 地下鉄の某駅の待ち合わせ場所を確認して、携帯を胸にしまう。


 身長178 体重72 中肉中背の私に、自称 身長168 体重80、完璧に “メタボ体型” の塩田誠(しおた まこと)。
 対照的な性格の2人だったが、大学時代から妙に馬があった。
 違ったのは女性の好み。
 塩田は良く言えば “派手な女性”、悪く言えば “水商売風” ・・・確か今も変わらない好みだと思う。
 

 私は。。。
 若い頃は朗(あか)るく活発な女性、それが今は、年相応に気づいた頃から “物静かで御しとやか”・・・・そう 我が妻 恵(けい)のような女性だ。




 「どうや 恵ちゃんとは上手くやってるか」
 塩田の行きつけの小料理屋“みゆき”。
 カウンター席に座り、塩田がビールを勧めてくる。


 「ああ・・・」
 返杯にビール瓶を受け取りながら答える。


 「お前には俺みたいに×一(バツイチ)にはなってもらいたくないからな」
 薄くなってきた頭を掻きながら塩田が微笑む。
 最近 伸ばし始めた鼻の下とアゴの髭がピクリと動く。
 今夜の塩田は機嫌が良さそうだ。
 

 「何か良い事があったのか?」
 「エエ事? そやな、恵ちゃんの近況を聞けるっちゅう事かな。。。なんせ俺は、お前と恵ちゃんの愛のキューピットやからな」


 思わず目尻がフッと下がり口元が緩む。
 カウンターの向こうで女将(おかみ)も微笑んでる。
 確かにあの時、この男が私に声を掛けてくれなかったら・・・・・。
 道尾圭介のパーティーの2次会に誘ってくれなかったら・・・・・。
 私の携帯の番号を恵に教えなかったら・・・・・。


 「山本、もう一回乾杯しようぜ “偶然の神様” に」
 「あら 塩田さん、粋な表現ね “偶然の神様” なんて」
 女将の大きな目が嬉しそうに細くなる。


 「女将、俺はこれでも “本”の業界で働いてるんやで、それ位の格好エエ言葉、知ってるで」
 「ハイハイ」
 女将が私のグラスにビールを向けてくる。
 カチリ・・・私達は小さく乾杯をした。

 
 「俺と恵の事を今でも気にしてくれるのは嬉しいのだけど、そんなお前が なぜ、また あの“クラブ” に俺を誘ったんだ?」
 「へへ まあ 落ち着け」
 塩田が嬉しそうにグラスに口をつける。


 「実は、あのクラブも2年前に店仕舞いしてな、今は別の店になってるんや」
 「なんだ そうだったのか」


 「ああ それで今度のオーナーがな、これまた面白い所にしてくれたわけや」
 

 「なんだか 塩田さんの顔、とっても嬉しそう」
 「あは わかるか女将」
 鼻の下にビールの泡を付けながら塩田の口元から歯が覗く。


 「でも塩田さんが言う面白いお店って、だいたいが “あっち” のお店でしょ」
 「ハハハ さすが女将や、俺の事 よう知ってるわ」


 「おい塩田、それで何故 俺をそういう所へ誘うんだよ」
 「へへへ 山本、恵ちゃんの手前 そんな事を聞くんかい」


 「い いや・・そういう訳じゃないけど・・」
 「ふふふ 実はお前と恵ちゃんの為でもあるんやで」


 (?・・・)


 塩田が女将に注がれたビールを上手そうに飲み干した。
 「山本、結婚してそろそろ2年やろ。・・そしたらな これから倦怠期に入って行くんや」
 「なっ 倦怠期なんて・・」


 「へへ せやからな、ここらでお前に刺激を与えてやろう・・と思ってな」


 塩田がニヤリと笑った。










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