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奪われた夏










42
 大型連休の残りは、抜け殻のような毎日だった。
 夏美はダイニングテーブルの椅子に腰掛けながら、ふと、壁にあるカレンダーに目を向けた。
 最後の休みもこれといって予定もなく、結局、出張中に新一の事を堂島に相談する事はなかったと、そんな事を考えながらため息をついた。
 目を移すと扉の開いた部屋の向こうにタンスが見え、隠し持っている卑猥な下着の奥にディルドをしまい込んだのを思い出した。
 出張から戻った夜に“ソレ”を使ってしまった自分は、どうかしていたのだと思い出しながらも、それ以上にその快感に満足出来なかった身体をしっかり認めていた。 


 5月の連休には英気を養った者がいる反面、この後は俗に言う5月病になる者も大勢いる。
 夏美は激しく頭を振り、椅子から立ち上がった。
 次の授業の事を考えようとして本を一冊手に取ったが、頭に浮かんで来たのは新一の顔、そして弥生の顔だった。
 新一がとろうとしている行動の意図はまだ分からないが、その原因を作ってしまったのは、自分なのだと夏美は又ため息をついた。
 (‥‥新一君とも向き合わなければ‥‥)
 夏美は軽く頷き、本を開き直した。


 連休明けの最初の講義だった。
 この日は休みの学生も多く、又陽気のせいか出席している学生もどこか眠たそうな感じの者が多かった。
 しかしその中でも、夏美はヒシヒシと新一の視線を感じ取っていた。
 講義が終わって廊下に出ると、案の定声を掛けられた。


 「‥夏美先生・・・」
 「・・・・・・」
 振り向くと新一が、どこか暗い視線を向けていた。
 夏美は負い目を感じる気分で。
 「‥こんにちは‥」
 と、小声で返事をした。


 新一は夏美をしばらく見つめ。
 「そのスカート、可愛いですね・・」
 「‥えっ・‥」
 「連休中もそれを穿いて、どこかに行ってたんですか」
 「なっ!?‥」
 「・・・・・・・」


 夏美は困ったように新一に向き直した。 
 「ごめんなさいね。前々から予定が入っていて・・・・。連絡しようとは思っていたんだけど・・・・」
 「先生、俺の連絡先は・・・・」
 「あ、ああ・・それはちゃんと登録してあるわ・・・」
 「・・・・・・・・」


 その時新一の向こう側、少し離れた所で不安げにこちらを見つめる弥生に気が付いた。
 夏美はもう一度、困ったように視線を地面に落とした。 
 新一は“フーッ”と、息を吐き。
 「先生‥」と言いかけたところで。
 「分かってるわ。‥‥近いうちにゆっくり話しをしましょう。‥‥でも」
 夏美がちらりと振り返って。
 「彼女には分からないように‥‥その方が新一君もいいでしょ」
 「本当!?‥」
 黙ったまま頷く夏美を見て、それまで強張っていた新一の表情が、みるみる綻(ほころ)んでいった。


 この日の仕事を終え、夏美は部屋へ戻っていった。
 堂島からの呼び出しがあった訳ではないが、この日は無意識にスカートを選択していた。 
 それを脱ぎ、部屋着に着替えるとベットに横になった。
 あの後、新一からは、いつ話が出来るのかと問い詰められたが、『一週間以内に』と答えていた。
 心のどこかで、堂島に相談する事を考えていたのだ。
 出張中は相談できずにいた。そんな事を考えながら、夏美は横になりながらゆっくり目を閉じた。


 次の日の午後。
 夏美はキャンパスの人気の無い場所を選び、携帯電話を手に取った。
 発信音が始まると、鼓動が大きく鳴っていく。


 『‥‥堂島じゃが‥』
 「‥も もしもし 夏美です‥」


 『んん? 儂からは電話はしておらんが何かようかな?』
 久しぶりに聞いたようなその皺がれた重い声に、夏美は胸の震えを意識して。
 「あ、あの理事長‥実はお話しがありまして‥」


 『んん、何じゃ急ぎか?』
 「ええ・・・はい。クラスの太田新一君の事で・・」
 『ん?太田新一・・・あの青姦をしておった子か?』
 「・・・はい、そうです・・・」
 『その子がどうかしたのか?』
 「はい・・」
 そう言って、夏美は振り返り、もう一度人がいないのを確認して声を落とし。
 「彼が研究室を訪ねて来た時の事です」
 『・・・・・・』
 「ひょっとしたらソファーの下に落ちていた私の・・・ショーツに気付いていた可能性があります」
 『・・・・・』
 「それに・・・ドアの向こうで・・あの・・その・・声も・・・」
 『んん、声?・・・儂と貴女がセックスしていた時の声か?』
 耳元に響いたその口調に、夏美は慌てて周りを見回した。
 更に鼓動が高鳴り始めている。


 『クク・・貴女はそんな事を心配しておったのか』
 「・・・・・」
 『それなら今度は、生で見せてやるか』  
 「なっ!理事長、何て事を・・」
 『ん、そんなもの慌ててもしょうがないだろ。』
 「・・・・・」
 『まあ、脅しでもかけてきたら何とかするわい』
 (・・そんな・・・・・)
 『夏美先生、儂も今とり込み中じゃ。また何かあれば連絡をくれ。』
 そう告げて、堂島は電話を切ってしまった。 
 夏美は切れた電話を耳から離し、そしてゆっくり歩き始めた。


 担当教授からの調べ物の仕事も残っているのだが、身体は怠(けだる)く足取りは重かった。
 図書館の前に差し掛かった時だった。


 「・・・夏美先生・・・・」
 背中から聞こえたその声に、夏美は強張りながら振り向いた。


 「あの・・今 時間 ありますか・・」
 弥生が哀しげな瞳で立っていた。
 短い沈黙の後、夏美は小さく頷いた。


 「実は・・新一の事で・・・」
 「・・・・・・」
 「・・・・・・夏美先生」
 「えっ あ ああ大丈夫よ・・じゃあここで・・・」
 夏美の視線が、目の前の建物を指していた。


 2人は図書館に入り、奥にある談話室へと向かった。
 部屋の中には誰もいなかったが、夏美は人目のつかない1番奥の席を選択した。


 「夏美先生・・」
 席に着くなり、いきなり弥生が話し出した。
 「・・・先生・・最近、新一から何か言われてませんか?」
 そう言った弥生の儚げな美しさに、夏美はドキリとした。


 「あ・・いえ、特に無いけど・・何故?」
 「・・・・私・・・分かってるんです」
 「な 何を・・」
 もう一度、夏美の胸が“ドキリ”とした。


 「・・新一って・・実は年上に興味があるんです」
 「えっ!そ そうなの・・」
 「私、付き合い始めてからその事が何となく分かってきたんです・・・。」
 「・・・・・・」
 「私みたいな青臭いのは好みじゃないんですよ・・・」
 「な、何を言うのよ弥生さん。貴女は女性の私から見てもとても素敵よ。青臭いだなんて・・・」
 「でも私、心配なんです。夏美先生は美人で可愛いし。それに何より年上の魅力があるし・・・」
 「・・・・あのね弥生さん。確かにこのところ、新一君から話しかけられる事は多いけど・・・」
 「・・・・・・」


 少しの間、弥生は黙り込んで。
 「私・・嫌われない様に・・・・新一の喜ぶ事なら・・・何でも・・」
 微かに聞き取れる小さな声で、弥生は一人でそう呟いた。


 「弥生さん、もしも新一君が何か言い寄って来たとしても・・・」
 夏美は心の中に、苦い物を感じていた。
 思春期にある弥生の心情は、よく分かるつもりだった。
 又、弥生の女の感には驚くところもあった。
 新一が実際に会って何を言ってくるかは分からないが、堂島との不埒な行為を責められても、自分には2人の神社での出来事を口にする事は無いと思っていた。 


 それから・・・。
 夏美は新一に連絡出来ないまま、早くも5日が過ぎていった。
 講義の最中に感じる新一の視線は、険しさを増していくようだった。
 又、隣に座る弥生の視線は、不安げなものだった。


 一方、堂島からの呼び出しは、東北から戻ってからは一度も無い。 
 機会があれば、新一と会う事をもう一度相談したいと思っていたのだが。


 講義を終えて、廊下を歩いている時だった。
 「夏美先生、これ忘れ物ですよ」
 振り返ると新一が一人で立っていた。
 手にはノートを持っている。
 新一は黙ってそれを手渡し踵を返す。弥生の姿は見当たらない。


 夏美は職員室に入ると、ノートを広げてみた。
 1枚の紙切れが床に落ちた。


 <今晩ぜったい連絡下さい!!!>


 乱筆だが強いその文字に、夏美は唇を噛みしめた・・・・。










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