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娼婦館の女〜淫欲の闇2〜









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 私の目の前には、異様な光景が広がっていた。
 全裸の男達と仮面だけの一糸も身に纏わない裸の女達が、妖しいメロディーに合わせる様に抱きあいながら身体を揺らしているのだ。
 時折パートナーをチェンジしながら、新しい相手と唇を貪りあい互いの性器を触りあっている。
 催眠状態に陥(おちい)りながらも、私はその中の一人がまゆみである事を思い出し、瞬きを繰り返していた。


 全裸の男女が、一通り全ての相手と挨拶が終わったところで音楽が小さくなり、そして静けさが戻ってきた。
 女の身体から素肌を離した男達の股間には、それは見事に天を突き刺すように上を向いた一物がある。
 黒光りする物、カリの太い物、大きい物、長い物 ・・・ 女はそそり立つオスのシンボルを見て何を思うのか?
 その“物”にお仕(つか)えする自分を想像するのか?
 それをむしゃぶる自分を考えているのか?
 それともそれに導かれる自分を想像して早くもアソコを濡らしているのか。
 まゆみは?
 私はシャツの首元のボタンを一つ外した。


 「皆様」
 澱(よど)みのない森川の声が聞えた。
 会場の中で唯一冷静で落ち着いているのがこの男だ。
 

 「ふふふふ・・男も女もそろそろ濡れてきましたか?」
 (・・・・・・・・・・・・)


 「でももう少し我慢してください・・・・・・これから奥様方には本日自分が“買われる身”である事、そして自分が助平で厭らしい事が大好きな変態女である事を自覚してもらう為、自己紹介をしてもらいます」
 (うっううう・・・・)


 「仮面だけを着けたままですが自分の声を聞いてもらい、ここにいる男性方に自分をアピールしてもらいます・・・・・それでは女性の皆様、よろしくお願いします」


 森川の言葉に女達が再び横一列、等間隔に並び始めた。
 男達は女を取り囲むようにして、その目を血走らせている。
 ある者は舌で唇を舐め回しながら、自分の硬くなった股間の物を握っている。
 まゆみは男供の様子を見ながら何を想うのか?


 「よろしいですか・・・・・。では一番右の奥様から始めましょうか・・・どうぞ」
 森川のその声に、たしか恵子と呼ばれた女性がその位置から、スッと一歩前に出た。


 「皆様始めまして、恵子と申します。歳は39歳です。身長158cm、バスト83、ウエスト60、ヒップ85、性感帯は背中とアソコです。私は夫とのセックスレスが長く欲求不満です。皆様私をたくさん指名してください。よろしくお願いします」
 (な 何なんだ! これは・・)
 私の身体にキューーーっと熱いものが走った。


 仮面を着けているとはいえ、まさか夫と子供を持つ家庭の主婦がこのような言葉を吐くのか・・・・・。


 「では次ぎの方」
 森川の落ち着きはらった声が、この空間の空気を更に淫靡に変えている。
 恵子と名乗った女が一歩下がると同時に、隣の女性がスッと前に出た。


 「はい 美穂と言います。歳は45歳、家族は主人と子供2人の4人家族です。私はよく人から“おしとやか”と言われますが、本当はいつもHな事ばっかり考えている淫乱女です。身長は155、バスト80.ウエスト58、ヒップ83、性感帯はクリです。本日はよろしくお願いします」


 美穂と名乗った女性が淡々と自己紹介を終えスッと後に下がった。
 先程の女性もそうだが、見事なくらい嫌味のない立ち振る舞い方だ。
 武(かれ)がやはり演出、いや、奥様達を洗脳したのか?
 女性はあと2人だ。


 次ぎの女性が一歩前に出た。
 「和美です。身長154、スリーサイズは上から85 66 86です。家族は夫と子供、私の3人です。私はよくSと間違われますが、本当はマゾ性の強い女です。今日は皆様で私を虐(いじ)めて下さい。よろしくお願いします」


 和美と名乗った女性の挨拶が終わると同時に、私の心臓がそれまで以上に大きく鳴り始めた。
 (・・・・・つ 次は・・・・・)
 腰が半分以上ソファーから浮き上がり、ミラーに押し当てていた手の平に力が加わった。
 そしてまゆみが一歩前に出た。


 「・・・こ 近藤・・・まゆみ・・と申します・・・・・・」
 (!!)


 「と 歳は43歳です・・。家族は主人と子供2人の4人家族です・・・。身長は155cm、バストは88、ウエストは60、ヒップは87です・・・。私は昔から・・・へ 変態的な行為がしたくてしたくてたまりませんでした・・・・・・」
 (ああ・・・・な なんて・・・・・)


 「・・・せ 性感帯は、乳首とク・・クリトリスです・・。本日はまゆみのオ オマンコをご自由にお使いくださいませ・・・・よろしくお願いいたします・・・」
 「ああーーーーーー・・・・・」


 私の口から奇妙な叫び声が上がった。
 決して“あちらの世界”には届く事のない叫びだ。


 (まっ まゆみ・・・『昔から・・・・・変態的な行為・・・』・・だって・・・・・)
 そんな事を言ってのけたまゆみ・・・・・・・。
 そのまゆみが何もなかったかのように、スッと後に一歩下がった。


 (・・・・・・・・・・・・・)


 「へへ・・今のまゆみさんって言う奥様が一番好き者みたいだな」
 裸の男の一人がボソっと吐き出した。


 「そうだな、まゆみが今一番マンコを濡らしてるんじゃないかな」
 「でも、2人目の美穂も結構助平そうだぜ」
 「うんうん、でも和美のケツはなかなか良さそうだ。。。早くバックで突きたいな」


 それまで黙ったまま奥様方の自己紹介を聞いていた男達が、口々に好き勝手な事を言い始めた。
 素っ裸のまま自分の股間を扱(しご)きながら、ギラツイタ目を女に向けているのだ。
 そしてその男達の様子をただ黙って畏まって聞いている奥様達・・・・・まゆみ。


 「へへへ 最初は仮面をしたまま嵌(は)めるんだよね」
 独り言の様な男の言葉に森川が頷いていた。


 「そうだ、それで後で奥様達の素顔も見れるんだよね」
 再び黙ったまま森川が頷いた。


 そして・・・。
 「では・・・・・」
 森川が一つ畏まった。










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